犬のシニアステージ
シニア犬っていったい何歳からなのか?そのナゾに迫ります!
「犬の場合は 7歳くらいから高齢期」愛犬家の皆さんなら、一度は耳にしたことがあるでしょう。
環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」には 約7歳から8歳以降の時期が高齢犬という記載があります。
またペット関連の代表的な統計調査である「全国犬猫飼育実態調査」においても7歳時以上を高齢期と規定しています。
さて、令和元年の 全国犬猫飼育実態調査の結果をみてみると7歳以上の高齢期に入っているワンちゃんはなんと全体の56% !
世界的にみても高齢化が進んでいる日本人でさえ、65歳以上の高齢者は総人口の28%(令和元年人口推計)。人と比較すると、異常ともいえる数字です。
なぜ高齢犬割合がこれほど高いのでしょうか?
うちの子、人なら何歳?でワンちゃんの年齢を人間の年齢に換算する方法をご紹介していますが、そこから考えると
小型犬・中型犬の7歳 → 人なら44歳
大型犬の7歳 → 人なら54歳
もうおわかりですね。
人間の場合、高齢者の定義は65歳以上。
つまり基準となる「高齢」の定義がまったく異なるのです。
ちなみに人間の場合の「シニア」とは?
こちらも調べてみると明確な定義が無いことがわかりました。
ビデオリサーチ社の2012年の調査によるとシニアという言葉から一般の方が思い浮かべるのは60歳前後とのこと。さらに同調査では「シニアと呼ばれることに抵抗がある」と答えた人は50代前半では73.4%、60代前半でさえ55%という結果になっています。
確かに!40代でシニアと呼ばれてしまったら、ちょっとびっくりしてしまいます。
もしかしたらシニアのワンちゃんたちも「シニアなんてよばないでよ!まだまだ現役バリバリなのよ!!」と思っているかもしれませんね。
7歳以上のシニアステージは2段階にわけて考えましょう
さて、結局のところ「7歳からシニア犬」という言葉が意味するところは「人間でいえば中年期に入ってくるので、そろそろ高齢期も見据えて身体に気をつけましょうね」ということでしょう。
以前、東京都の適正飼養講習会「高齢ペットとの暮らし方」では獣医師の先生がシニアと高齢の違いについて以下のように説明されていました。
シニア
小型犬・猫 8〜9歳
大型犬 7〜8歳
高齢
小型犬・猫 11〜12歳
大型犬 9〜10歳
シニア期(いわゆる中年期)に行うべきは予防です。高齢期に備えて、身体の基盤を作り、生活習慣の再確認を行っていきましょう。
たとえば関節に問題がある子の場合は、万が一寝たきりになったことを考え、おうちでトイレできるようトレーニングの見直しておくと安心です。
この時期の準備が豊かな高齢期をおくるためにはとっても重要です。住宅環境も含めて、十分な検討をしておきましょう。
高齢期に入ると、加齢変化が実際に生じることで、さまざまな対応が必要になります。その子がもともと持っている基礎疾患なども考慮して、いざとなった時にあわてず対処できるよう考えておきましょう。