歩行機能低下のステップ

リビングにいる犬

歩行機能低下の4段階

 老犬では一般的に以下の順序で歩行機能の衰えが生じます。 

1段階目 歩いている途中にふらつく

 お散歩中に足取りがなんだかぎこちなかったり、ちょっとした段差に戸惑うようになったり。
 これが歩行機能の衰えのスタートになります。
 また老化のせいではなく何かしら病気がある可能性も見過ごせません。こんな症状がみられたら、はやめの動物病院の受診を心がけましょう。
 
認知機能の衰えの可能性も考えておきましょう
歩行異常は運動機能の低下によるものだけではありません。散歩中に円をえがくような歩行が頻繁にみられるようなら認知機能の低下による可能性があります。飼い主さまの日常生活の観察が動物病院での正確な診断につながりますので、気になる行動があれば何でもメモをとっておきましょう。

2段階目 立ち上がりができない、時間がかかる

老化による歩行機能の衰えは一般的に「後ろ脚」からはじまります。後ろ脚が衰えると、立ち上がるときに踏ん張りがきかなくなるため、すぐに立ち上がれなかったり、自力では立ち上がれなくなったりします。
筋肉の衰えが問題なのか、関節が問題なのか獣医師の先生に相談し、サプリメントやフードの変更で対応を試みましょう。
おおよその成功率を記録しておくと、状況の把握が正確にできます。(立ち上がろうとした時に何%くらい成功するか)
立ち上がれれば歩行自体はできるワンちゃんも多いので、時間がかかり過ぎている時には立ち上がりのサポートを飼い主さんがしてあげましょう。
この時期から車イスを導入して、たくさん歩くことで筋力の増強をするのもおすすめです。

3段階目 後ろ脚が使えない、自力で歩行できない

後ろ脚の衰えが進むと、いよいよ自力では歩けなくなってきます。
ベッドでは上半身は起こすことができるものの、そこから移動するのが困難となります。
この段階を放置してしまうと寝たきりまで一直線です。歩行介助のベルトや車イスなどを使用してサポートしつつ、少しの時間だけでも歩くように心がけましょう。

4段階目 寝たきりになる

前脚も衰えてしまうと、サポートしてあげても歩行は難しくなります。
ただし脳の活性化のためにも、カートなどを使用してお散歩を続けることをオススメします。
元気にかけまわっていた姿を知っているとせつなくなってしまうかもしれませんが、先々のことを知識として理解していると準備をしておくことも可能です。そのときどきの状態にあわせて、寝たきりでもできる脳トレなど新しい楽しみ方を探していきましょう。